2013年5月30日木曜日

敷金、礼金、更新料とは

賃貸契約独特のお金が「敷金」と「礼金」です。名前としては一般的に知られていますが、不動産業者に言われたから考えずに払っているという人が結構いると思います。しかし、敷金、礼金にも意味があります。

まずは、敷金から説明していきましょう。


・「敷金って何?」

敷金というのは部屋や店を借りる時に大家さんに支払う「預かり金」です。大家さんに支払って帰ってこないお金ではなく、一時的に預けるお金なので大家さんから発行されるのは「領収証」ではなく「預かり証」というお金を預かったことを証明する書類です。

敷金は部屋を借りた人が、部屋の設備を壊してしまったり、家賃を滞納したりした場合に補填にあてるお金が敷金なのです。

敷金は大家さんにとってはありがたいもので、敷金があることによってある程度安心することができます。

敷金は預かり金なので、滞納がなかったり、部屋をきれいに使っていて原状回復費用がかからなかった場合には全額返ってくるものです。

しかし、現実には全額返ってくることは稀で、最低でも部屋の清掃料金は差し引かれてしまうと思います。田舎の大家さんでは今でもたまにいますが、敷金の性質を理解してなくて、昔の大家さんの地位が高かったときのことを言い出してなんだかんだ言って敷金を返さないような人もいます。最近はほとんどいなくなってきましたが。


・「礼金って何?」

礼金とは日本独特の習慣で、家を貸してくれた大家さんに対して払うチップやお礼金のようなものです。なんでわざわざ高い家賃を払っているのに更に「礼金」なんて払わないといけないかと言うと、それは礼金の由来にさかのぼります。

礼金とはもともと地方から東京に一人でやってきた単身者の家族が下宿させてもらう家の大家さんに何かあったときに面倒を見てもらうように支払った「前もっての感謝」という意味があったようで、それが礼金と呼ばれるようになった説があります。

他にも、住宅が少なかった時代に大家さんに家を貸してくれてありがとうという感謝の意味で支払っていたという話しも聞きました。

どちらにしろ、現在では当てはまらない話しです。よほど人気の物件でなかなか借りれないような物件であれば礼金が設定されていても経済的合理性から支払っても良いかと思いますが、それ以外では礼金は必要ないと個人的には思います。

不動産の市況が東京よりも厳しい地方ではすでに礼金の習慣は減ってきています。礼金はだいたい家賃の1ヶ月分くらいですが、最近では礼金0の物件が当たり前のようになってきているので、「礼金0」という謳い文句もあまりお客さんの心に響いていません。

礼金はどんどん少なくなってきているので、これから無くなっていくでしょう。


・「更新料って何?」

更新料とは賃貸契約を更新する際に支払う一時金です。これは地域によって発生する、しないとありますが、契約書に更新料の特約がない場合などは無効ではないかという判決もあります。

更新料も住宅や店舗の物件が少ないときであれば、「大家さん賃貸契約を更新させてくれてありがとう」という意味もあると思うのですが、現在のような大家不況の時代では更新料なんて発生させれば借り主は逃げて行きます。

大家さんの立場が弱い現在では逆に「更新してくれたら家賃を1ヶ月無料にする」などのメリットを持たせないと借り主はどんどん逃げて行ってしまうでしょう。


0 件のコメント:

コメントを投稿